仲間りょう×小山ゆうじろう同い年対談

2.ツッコまないふたり

小山
『アゲ太郎』には原案のイーピャオという親父ギャグ好きの人がいるんですが、『アゲ太郎』にはその人の感性も含まれてるんですよね。僕だけで作ってたらたぶん『ジェントルくん』みたいな感じになって、とにかく主人公に変なことさせて周りが感動してるみたいなヘンな絵面を作って笑いとるみたいなことしてたでしょうね。
仲間
マスターフライが一番最初に語りかけてくるシーンあるじゃないですか、あそこ、絵をきっちり描く人が描いたら「いいシーン」になるけど、あの顔でバーンと来られたら笑っちゃうんですよね。
小山
あれは本当は笑わせるつもりで描いてはいないんだけど笑ってくれてOKだと思ってます。Gカップで賞をとってから『ジェントルくん』までのボツネームってたくさんあるんですけど、その中で「例えば、デブの人が必死に走ってる絵面ってふつうに応援したい気持ちもあるし普通に面白い、その両面残してるっていうのでも全然成立するんじゃないのか」みたいなことを担当から言われて、なるほどと思ったのを覚えています。悪い言い方をすれば、ツッコんだりするのって媚びてるのかなと思ってたフシもあったんで、そう言われた時「じゃあやってみるか」で『ジェントルくん』をやりましたね。でもツッコミを入れてないせいで確実に読者を何人か逃してるんですよ。ある場面でしっかりツッコミを入れれば読み進められるんだけど、わからずスルーしてる人もいっぱいいると思うから。
仲間
ツッコミに関しては、『磯兵衛』の最初の読切の時にすごく意識したことがありまして。「男の子がエロ本を隠す話」ってベタすぎるじゃないですか。なぜそのシチュエーションをチョイスしたかというと、ツッコミが要らないからで、浮世絵というトガッたものも、そのベタの中ででやんわりする。つまりベタベタとキワキワを混ぜるとバランスがとれて読めるようになるんじゃないかと。
小山
現代設定の普通のキャラでエロ本隠す話だったらベタすぎて全然ギャグにならないですもんね。
仲間
そうそう。出てくるキャラも磯兵衛と母上の2人に限定して、もうこれ以上読みやすいものはないんじゃないかというのを考えたんですよ。
↑読切のワンシーン。ジャンプでまさかの浮世絵に、ネットで「なんじゃこりゃ」となった。
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