仲間りょう×小山ゆうじろう同い年対談

2.ツッコまないふたり

小山
そもそも浮世絵ってのが「やられた!」と思いましたね。僕も浮世絵自体は色遣いが好きだったりしたんですが、『磯兵衛』は春画とかの造形をサンプリングしてるわけですよね。「それをやればギャグになるのか、ああ頭いいやつが現れたな、センスあんなー」と(笑)
仲間
磯兵衛って、「あらゆる浮世絵で見かける人間」という設定なんですよ。だから街中とかいろんなところで見かける全然関係ない浮世絵が磯兵衛の広告塔になってくれるんです。それはありがたいですよね。
小山
企画勝ちですね。たぶんみんな『磯兵衛』みたいなギャグを待ってたんだと思いますよ。ジャンプって漫然と読んでると読み飛ばすようになる作品も出てくるけど、逆に必ず求めてる面白さの作品が始まることがある。この希望感がジャンプをやめられない理由なんだと思います。小学生の時、『純情パイン』の存在に驚いて、「こんな絵柄で載せるのか、ジャンプは受け皿がでかいからカッコいいな」と思った。『磯兵衛』が始まったとき、あの頃のカッコよさが残っていてホッとしました。ジャンプがダメだったらガロでやるしかないな、とも思ってましたし。
仲間
僕も『磯兵衛』が拾ってもらえた時は「やっぱジャンプってすごいな」と思ったけど、「一番売れてる雑誌が一番自由っていうのはどういうことなんだろう」というのを考えて、それは「やっぱり売れてるから出来るんだろう」と結論づけました。王者の余裕ではないけど「なんでもやったるぜ」という気概がある。
小山
実は『ジェントルくん』を載せる前に一番影響を受けていたのは、漫☆画太郎先生の『珍遊記』で。あれってギャグである以前にストーリーが意外とちゃんとしてるじゃないですか。そのくせ何にも進まない、子供と喧嘩して終わるだけの回もある。こういうのを自分は読みたかった。ああいう自由なものがあって良いということに勇気付けられたんです。
あと、僕は子供に向けて描きたいという気持ちがとてもある。ただ、『アゲ太郎』は思いついた時点でテーマがDJだったから子供向けというのは無理で、せめても絵柄で小学生が見ても毒にならない感じにしようと。なるべく美少年みたいなキャラは出したくなくて、ジジイみたいなやつを集合させたいんです。
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