近藤先生が語る『Dグレ』の衝撃!

――近藤先生は『Dグレ』の連載開始時からのファンですが、特にどこに惹かれましたか?

近藤 最初にすごいと思ったのは絵ですが、ストーリーやキャラの背景、そして当時ジャンプで「悲劇」を題材にした作品がなく、それを上手く設定に組み込んで成立させているところにも驚きました。バトルシーンもカッコよく…、もう羅列するときりがないです。

星野 ありがとうございます!

避けられがちなネガティブなテーマで、少年漫画として成立させた点も『Dグレ』の驚きの一つ!

近藤 『Dグレ』は1話を読むと「また読み返したい」と「次の話はどうなる?」という印象を同時に抱かされる作品ですよね。

――『Dグレ』の好きなキャラ、エピソードをお聞かせ下さい。

近藤 好きなキャラはアレンです。エピソードは2巻全体と、23~24巻で神田がアレンをジョニーと探しに行く辺りです。神田がアレンを「死ぬにはまだ早い」と気に掛ける姿は、友情というより義で行動するキャラが出て印象的でした。

教団に逆らってまでアレンを気遣う二人。ジョニーの献身と神田の心意気が表れる名エピソード。

――『ダークギャザリング』で『Dグレ』から影響を受けた部分はありますか?

近藤 めっちゃあります(笑)。冒頭のコマ割とか、この前見ていたら「このパターン、『Dグレ』から来ていた」と気づきました。高3の時にコマ割を模写していた感覚が、未だに続いているんです。星野先生のコマ割は読みやすい上にインパクトがあり、情報の詰まり具合もちょうどいいんです。あとは怖い顔のニヤッとした笑い方、爪の描き方、キャラの体型のデフォルメ、線の強弱などなど…。

小さいコマがポン、ポン、ポン…ときて、ドンと大ゴマが入る流れ。近藤先生曰く、『Dグレ』の模写で染みついたコマ割とのこと。

星野 笑い方って、ノアの口角が上がった感じですよね。あれ、うちのお姉ちゃんがモデルなんですよ(笑)。あんな風にニヤァーっと笑って、現実で見てもめっちゃ怖いですよ。

ティキの黒い面が初めて描かれた場面。気さくな兄貴分の狂気めいた表情は、多くの読者を驚かせた。