――現在(※取材当時/2020年9月初頭)新型コロナによる社会問題があります。これにより、漫画の内容や読者への向き合い方に変化はありましたか?

加藤 個人的には何も変わっていないかも…(笑)。

山岸 そうですね。東京オリンピックが延期となったけれど、漫画で描くことは変わらないというか。ただ、これから次の作品を作る時は、そこを考えないといけないと思います。「今の読者はどんな物語を読みたいのか」「今の社会状況をどれくらい取り入れて描くのか」とか、作品のコンセプトに関わってくることだと思うので。

選手たちの晴れ舞台!現実でも、早くこの光景が戻ることを願う。

――作画作業など、実務面ではいかがでしたか?

山岸 以前は背景のアシスタントさんには来てもらっていましたが、仕上げは元々デジタルということもあり、在宅に切り替えて頂きました。打ち合わせも電話がほとんどなので、そこまで影響はないですね。ただ、アイデアや考えをまとめる時は外の方が集中できるので、気軽に喫茶店に行けないのは辛いですね。

加藤 私もネームは外でやっていましたが、外でできなくなってしまって。私たちって結構インドア派だから、普通の人より巣ごもりに強いじゃないですか。「外出好きの人は大変だなぁ…」とか思っていたのに、さすがにだんだん辛くなってきて。作品の方は、元々時事ネタに影響されるものではないので。『青エク』の世界に置き換えるなら、新型コロナは不浄一族の悪魔が大暴れしているようなものですが…そんな不謹慎なネタ、描けるわけがない(笑)。

――今、執筆で直面している悩みはありますか?

山岸 どうやったらもっと読まれるようになるかですね。webで読まれやすい仕組みがあれば。明らかにいいバナーやサムネイルってありますよね。

加藤 私が選ぼうか?私はそれっぽい提案に長けているという、謎の自信があります。ミーハーなアドバイスなら得意なので(笑)。

山岸 うわぁ、とても嬉しいです!次は加藤先生にも相談したいです(笑)。

加藤 山岸さんの作品はもっと読んでもらいたいですね!私の悩みといえば、今だと連載のバトル描写ですね。バトル筋を鍛えてこなさすぎて、いざバトル展開が増えると本当に難しい!今、連載で苦労しています。

――今、漫画に関することで目標としていることがあればお聞かせ下さい。

山岸 これはずっと言い続けていますが『ムーンランド』を全巻、紙版で出してもらうことです。途中から電子版のみになったので、最初から紙で応援して下さっている読者に申し訳なくて。時間は掛かってしまうかも知れませんが、私が漫画を描き続ける限りチャンスはあると思っています!

加藤 そのポジティブさ、見習いたい!私の目下の目標は、まだまだかかると思いますが『青エク』を完結させることです。もちろん、作家として他にも挑戦してみたいこともあります。まず基礎を鍛え直したいです。別の連載もいいですが、原作付きもやってみたいですね。元々ストーリー作りが苦手なので、絵に専念することで自分の課題がシンプルになるのではと思って。あとは短編集をもう1冊出せるくらい、読切をいっぱい描くのもいいですね。海洋冒険ものとか江戸ものとか、やってみたいネタもたくさんあります。やりたいことがいっぱいあると、わくわくしますね!

――それでは最後に、お互いへのエールをお願いします。

山岸 『青エク』はこの前の25巻が本当に最高でした!今まで物語を積み重ねてきた上で描かれた燐の感情がすさまじく、巻の最後まで読んで「うわぁ…」となりました。絵も魂が入り込んでいて素晴らしかった。新しい26巻をソワソワして待っております。結末をいち読者として楽しみにしていますので、お体に気を付けて描き切って頂きたいです!

弟との決別、自分の来歴、そして養父の過去を知って燐の感情が爆発する。

加藤 山岸さんはこれからの成長が楽しみな作家さんです。この連載が素晴らしい財産になり、次回作もやりたいことがいっぱいあるんだろうなぁ。『ムーンランド』もこれからの作品も楽しみです。山岸さんは間違いのない技術を持っているので、それをミツくんのように積み上げて、すごい花を咲かせて下さい。

――ありがとうございました!